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大谷 恭平; 塚田 隆; 上野 文義
材料と環境, 68(8), p.205 - 211, 2019/08
本研究では、気相と液相を繰り返す環境で低合金鋼の表面に形成する鉄さび層を断面観察および分析により解析し、気相と液相を繰り返す環境における低合金鋼の腐食加速機構を解明することを目的とした。結果より、気液交番環境で低合金鋼には外側から赤さび層(-FeOOH), クラスト層(FeO), 内部結晶(FeO), 内部鉄さび層から成る多層の鉄さび層が形成することを見出した。鉄さび層は低合金鋼が水膜環境下に暴露されることで形成し、その構造に起因してカソード反応は常時水中に浸漬された場合よりも加速された状態を維持していたため、低合金鋼の腐食速度は増大したと考えられる。
長谷川 雅幸*; 永井 康介*; Tang, Z.*; 湯葢 邦夫*; 鈴木 雅秀
JAERI-Tech 2003-015, 137 Pages, 2003/03
材料試験炉(JMTR)で中性子照射した原子炉圧力容器銅のモデルFe‐Cuについて陽電子消滅実験を行い、照射によって生じたナノボイドや超微小Cu析出物を調べた。その結果、ナノボイドの表面は、Cu原子で覆われていること、このようなナノボイドは、約400の焼鈍でその内部の空孔が解離・消滅するために超微小Cu析出物となることを見いだした。また、照射脆化に重要な役割を果たすと考えられているNi,Mn,PなどをFe‐Cuモデル合金に添加した効果を調べた結果、(1)NiやPは、ナノボイド形成を促進するが、Mnは逆に遅らせること,(2)約400の焼鈍によって生ずる超微小Cu析出物はほぼ純銅でこれら添加元素を含んでいないこと、などを見いだした。さらに単結晶Fe‐Cuの陽電子消滅2次元角相関(2D‐ACAR)測定から、Fe中に埋め込まれた超微小Cu析出物(体心立方結晶構造)のFermi面を求めた。この結果はバンド計算の結果と良く一致した。FeCuモデル合金中のCu集合体の陽電子親和力閉じ込めの理論計算を行い、約1nm以上の埋め込み粒子になると陽電子量子ドット状態が実現することがわかった。
荒 克之*; 海老根 典也
電気学会マグネティックス研究会資料 (MAG-01-55), p.1 - 6, 2001/03
原子炉圧力容器の経年劣化とその磁気的な手法による非破壊計測評価について述べ、それを実現していくうえで重要な課題の一つである「磁気問いかけ」で材料のヒシテリシス磁化特性を同定するという困難な問題を「磁気測定」と「磁界解析」との関係で議論し、それにかかわる研究開発課題についてレビューした。原子炉圧力容器は強磁性を示す低合金鋼で作られており、長期間の供用中に中性子の照射を受け機械的特性が劣化するとともに、その磁気的特性も変化する。そこで圧力容器鋼の磁気的特性の変化を非破壊的に測定し、その結果から圧力容器の材質劣化を評価しようとするのが磁気問いかけ法であり、そこでは磁界解析の支援が必要となる。
海老根 典也; 荒 克之; 中島 伸也
Proc. of 9th Int. Symp. on Reactor Dosimetry, 0, p.785 - 792, 1998/00
原子炉圧力容器鋼材の経年劣化を非破壊的に計測評価するため、磁気問いかけ法を提案している。この方法は照射硬化と保磁力変化との間に良い相関があることを基本としている。そこで、圧力容器を局所的に磁化し、このときの圧力容器表面の磁界分布を計測解析し、これより圧力容器厚さの方向の保磁力分布を逆推定して、圧力容器の劣化状況を把握する。この方法との関連で、低合金鋼A533とステンレス鋼AISI410の磁気特性と機械特性との相関を調べ、硬さ、降伏強さと保持力、透磁率との間にはそれぞれ非常に良い相関関係があることを明らかにした。これより、磁気問いかけ法は有望な圧力容器劣化非破壊計測法であることも明らかとなった。
古平 恒夫; 奥 達雄; 鈴木 雅秀; 深作 清
JAERI-M 85-170, 36 Pages, 1985/10
本報告書は、多目的高温ガス実験炉(VHTR)の最も重要な耐圧構造コンポーネントである原子炉圧力容器(第1種容器)への2 1/4Cr-1Mo鋼の適用に関して、現状と課題をまとめたものである。すなわち、設計及び運転等の条件をベースに、要求される特性、それを基にした材料選定の考え方、材料の製造仕様、そしてこの仕様に基づいて製造した材料の性能と経年劣化を考慮した圧力容器の健全性評価検討例を述べ、高純度低SiのNT材(JIS SCMV4-2,ASTM A387 Grade22,cl.2)の採用の妥当性が示されている。
古平 恒夫; 宮園 昭八郎; 中島 伸也; 石本 清; 伊丹 宏治
Nucl.Eng.Des., 85, p.1 - 13, 1985/00
被引用回数:4 パーセンタイル:54.56(Nuclear Science & Technology)原子炉圧力容器の構造健全性評価に資するため、国産の超厚Mn-Mo-Ni系低合金鋼4種類を供試し、弾塑性破壊靱性により中性子照射脆化挙動を調べた。中性子照射はJMTRにて 290C,2~710n/cm(1MeV)の範囲で行い、中性子照射脆化は、J破壊靱性及びシャルピー衝撃試験により評価した。得られた結果を要約すると以下のとおりである。1)現在の超厚鋼製造技術で、Cu,P等を低減して製造した鋼材は、中性子照射脆化が軽微である。2)遷移温度領域では、シャルピー吸収エネルギー41Jレベルにおける遷移温度の移行量は、破壊靱性100MPa√mにおける遷移温度の移行量とほぼ等しい。3)直流電位差法は、照射材の破壊靱性及びJ-Rカーブの測定に極めて有用な方法である。
近藤 達男; 小川 豊; 中島 甫
Corrosion Problems in Energy Conversion and Generation, p.346 - 358, 1974/00
JPDRに起った二つの代表的な応力腐食事故について概要をのべ、それらがひき起す原子炉工学上の問題とひとつ、腐食疲労と応力腐食の拡大の二点をとりあげた。これらのそれぞれの持つ意味は異なるので、研究解析の手法と重要な成果について概観し、最後に、これらの二つの現像が実際条件では混在するものとの前提に立って、実験による現像の再現を行なった。その結果を破壊力学と治金学の両方の観点で論じた結果、従来の高力鋼の水素による応力腐食割れとの披労関係で知られるような両者の直接加算的関係(Linear Summation Hypothesi)とは対照的に、静応力成分による結晶粒界型の破壊と、動応力成分による貫粒型の破壊とは互いに異る効果を生み、とくに前者の混入によってグラツク先端の応力分散がもたらされる結果、クラツクの進行速度が低下する傾向が見出された。これは破壊力学におけるMulti-CRACKの問題として提起されるものである。
村主 進; 藤村 理人
原子力工業, 19(12), p.53 - 58, 1973/12
原子炉1次冷却系統構造材について、構造材料の選択、構造設計法の変遷および品質保証について説明した。
藤村 理人; 古平 恒夫; 薄田 寛*; 安藤 智純*
JAERI-M 5297, 40 Pages, 1973/06
高温ガス実験炉の建設にあたって、圧力容器に使用する鋼材を選定することが重要な課題となっている。高温ガス炉心銅製圧力容器を採用するときは、軽水炉圧力容器より、設計温度が約100C高く、450~500Cであること、さらに構造安全を高めるために、高強度のA542鋼Cl1鋼の使用が考えられる。しかしながら、新鋼種を圧力部材として採用する場合は、十分な確性試験を必要とする。本研究はその第1次報告である。
中野 純一; 塚田 隆; 上野 文義; 山縣 諒平
no journal, ,
東京電力福島第一原子力発電所では、炉心への海水注入および炉心損傷による放射線量の増加により、原子炉格納容器鋼および原子炉圧力容器鋼が腐食されることが懸念されている。一般に、気相と液相の界面近傍において鋼材の腐食量が増加することが知られている。それゆえ、線照射下、50Cにおいて、試験片の下半分を希釈人工海水中に浸漬させた状態で腐食試験を行った。気相部は大気またはN雰囲気とした。試験後、酸化皮膜を除去し、3Dマクロスコープにより試験片表面の3Dデータを測定した。気相部を大気雰囲気とした場合、試験時間及び線量率に依存して最大断面積高さが増加した。線照射500時間後、N雰囲気での最大断面積高さは大気雰囲気のそれよりも低下した。気相中のO分圧の減少による液相中のO濃度が減少し、局部腐食が抑制されたとみられる。
中野 純一
no journal, ,
東京電力福島第一原子力発電所(1F)事故では、炉心へ海水の注入が行われた。燃料デブリおよび核分裂生成物により、原子炉格納容器(PCV)内は高い放射線量となっている。圧力容器およびPCVの腐食が水の放射線分解生成物によって加速することが懸念されている。1FのPCVにおいて、注入された海水量、温度履歴、放射線量、および廃止措置に向けたロードマップを示すとともに、これまで原子力機構で実施した低合金鋼および炭素鋼の線照射下腐食試験を紹介する。1FのPCV内で実測されている程度の放射線レベルでは、鋼材の均一腐食速度が大きく加速される可能性が低かった。また、腐食抑制策として、気相をN雰囲気に置換することが有効であった。
山本 正弘; 本岡 隆文*; 中野 純一*; 加藤 千明; 佐藤 智徳
no journal, ,
東日本大震災から10年が経て、福島第一原子力発電所の事故処理は淡々と進められてきてはいる。しかしながら、初期には緊急冷却のために海水を冷却水として用いたため、腐食に関わる課題が多数発生した。それらに対して、原子力機構として取り組んできた内容を概説した。具体的には、使用済燃料プール,原子炉格納容器,汚染水除去設備に対して、腐食現象の解明とリスク低減法を提示してきたことを示した。